「怒り」は、相手役が「弱い立場」のときに向かいやすい

 同じく、家に帰り、相手が「妻と子ども」だった場合には、「穏やかでゆっくり話す」のが普通だったりするのです。

「相手」によって、人は「目的」が違うものです。そのため、「人によって態度を変える」ということが起きるのです。

『みんな違う。 それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと』(岩井俊憲著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)より引用みんな違う。 それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと』(岩井俊憲著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)より引用
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 リーダーになってみると、どうしても部下にイライラしてしまう、上司と部下の間に挟まれて「なんでわかってくれないんだ」と腹が立ってしまうなど、「怒り」という感情がわいてきてしまうことがあります。

 それを相手に思わずぶつけてしまったり、あるいは、ぐっと我慢したとしても、なんとなく不機嫌オーラを職場で出してしまったりして、自己嫌悪につながる。

 そんな経験のある人もいるのではないでしょうか。

 ただ、「部下」が相手のときだけ、イライラしやすい、不機嫌になりやすい人は注意が必要です。

「怒り」は、相手役が「弱い立場」のときに向かいやすい傾向があるからです。

 親なら子、教師なら生徒、上司なら部下という具合です。

 これが固定化すると、「一方が支配し、一方が支配される関係」になります。人間として健全で健康とはいえないので、修正したほうがいいでしょう。

 しかし、「怒り」という感情そのものは、時々は、「それはそれでしかたがないときもある」と私は思っています。

「怒り」が100%悪いもの、とも思っていません。

 人間ですから、不機嫌になってしまうことも、ついイライラしてしまうこともあるでしょう。

 そんなとき、私は、「怒りの目的を知りましょう」とアドバイスします。