懸念されるいくつかの可能性

 さて、何にしろ「失職→再選挙」という方向性が見えてきたわけですが、ここで懸念される第1点は、冒頭にも記した強力な対立候補の擁立が、各政党、あるいは市民派に、きちんとできるか否かという点です。

 不信任決議案は全会一致でしたが、自民党と共産党が同一候補を推すわけもなく、維新は兵庫で政党の体をなしているのかよく分かりませんが独自候補に手兵がない中で前回は斎藤氏を選んだ。

 自民党としては、歴代副知事などに打診して軒並み強く辞退されているなどと報じられているようです。

 冒頭に泉房穂氏の名を記しましたが、兵庫に根差した確かな人を候補として選び、擁立する必要があるでしょう。

 もう一つ、こちらの方が強く懸念されるのが「アクシデント」というか、はっきり書けば「事件」でしょう。

 米国ではご案内のように、遊説中のドナルド・トランプ氏が銃撃されSPに守ってもらっていますが、失職後の斎藤「候補」に、要人警護の警察官などは、一般的にはつきません。

 身体生命の危険を予告するような抗議電話が県庁に毎日、複数本寄せられ、ショッピングモールでも「知事がやってくるイベントは、安全が確保されないので辞退」と「出禁」扱いになった経緯の「斎藤候補」が、どのような「選挙活動」を行うのか?

 警護の厳重な庁舎での会見で「僕の思い」を語っているうちはまだしも、街頭演説など行えば、混乱は避けがたい可能性が考えられます。

 生まれた瞬間からゲームなどバーチャルな世界が身の回りにあり、喧嘩などリアルな社会経験に乏しい「ロスジェネ」無自覚候補が街頭に出たとき、何が起こるのか。

 それが大変心配というのが率直なところです。