家庭での子供への接し方が子供の成長を大きく左右する(Taras YasinskiによるPixabayからの画像)

 中学、高校生から大学生なども含めた最近の子供が、非常に弱くなっているのを感じます。

 先日、あるベテランの中学高校の先生から「衰弱する公教育、細る家庭教育」という、実感のこもったお話をうかがいました。

 そうなのです、公教育が厳しい状況になっているのはよく分かっているのですが、もう一つ「細る家庭教育」が非常に大きな問題になっている。

 この問題について考えてみたいと思います。

 私の研究室メンバーの一人が大学1年生のとき、個別学習塾で講師のバイトをしていたそうです。小学生を教えて、指導時間の終わりに親が迎えに来る。

 そのとき彼は「簡単な復習を出しておいたので、おうちでも見てあげてください」と親御さんに伝えたそうです。

 すると翌日、塾に親からとんでもないクレーム電話がかかってきた。

「家で子供の勉強を見られるくらいなら、塾なんかにやっていないんだよ。自宅で勉強させろって、いったいどういう『個別指導塾』なんだ」

 といった論調のモンスター・ペアレントだったそうですが、その程度の復習すら自宅でさせられないなら、子供がこの先まともに勉強できる見通しが立つわけもありません。

 はかない気持ちになってしまった彼は、塾講師バイトを辞めてしまいました。匿名ですが、完全に実話です。

 今回は、こうした事例とおよそ正反対という具体例を引いてみたいと思います。

 おうちでご家族、ご親族が子供を教えることの本質的な大切さ、価値を実例でお示しできたらと思います。