英語の会議、メモは英語?日本語?

 また「エイゴを突き詰めよう」という章では、「会議でのメモの取り方」など実務に直結するスキルを詳しく解説している。仕事で英語を使う人にとって貴重なアドバイスとなるだろう。

 英語で行われる会議のメモを取るとき、メモは何語で取るべきだろうか?

 筆者いわく、英語に慣れている人は「英語日本語の混ざったメモ」でOKだという。そして意外なことに、英語経験の足りない人ほど「英語だけでメモを取る」ことが大切になるという。

 なぜなら、英語経験の少ない人は「内容を理解して日本語でメモを取る」ことがそもそもできないからだ。内容が理解できずにメモを取る手が止まるのであれば、内容はともかくメモを残せた方が良い。

何を言っているのか分からない状態になったら、中身を理解しようという努力は当面放棄し、聞き取れた「英単語」だけ、マシーンのように、ずらずらと書き取って頂きたい。英単語が無理なら、カタカナでもOKである。

 これらのメモを、会議後に整理し、資料とともにつなげてストーリーにしていく。筆者も、20年以上前の国際会議でこの方法をとり、ピンチをしのいだことがあるという。

霞が関官僚の英語格闘記「エイゴは、辛いよ。」』(大矢俊雄著、東洋経済新報社)

海外生活を豊かにするために大切なこと

 英語の試練は仕事の場だけでなく、生活の中でも頻繁に訪れる。地元の人との付き合いや、車の故障、骨折、日常のトラブルなど枚挙にいとまがない。大矢氏はそれらの試練を、工夫を重ね、時には人の助けを得て乗り越えていく。

 例えば地元の人の輪に入るための話題づくりについては、以下のように事前準備をするという。

周りの人と熱く語り合うためには、彼ら彼女らの関心の高いことをこちらも知るのが大事である。まず「スポーツ」(米国ならアメリカンフットボール、バスケット、そして野球)、そして「地理」を押さえよう。いずれについても、自分の住んでいる地域のものだけでは駄目で、自分の赴任した国の全土のチームと地理につき万遍なく知識を得ておくことが大事である。

 英語を使って暮らす中で、こういった工夫が試練を乗り越えるために大切なポイントであり、異国での生活をより豊かにしていく手助けとなる。