奨学金は人材確保の有力なツールに

 国内最大の奨学金プラットフォームを運営するベンチャー企業のガクシーと三菱UFJ信託銀行の共同プロジェクトで、学生の募集や奨学金の給付はガクシーのサイト「ガクシーagent」を活用、個人や企業などから集めた資金を三菱UFJ信託銀行が運用して、その運用益から毎年学生に奨学金を支給していく仕組みだ。

 当初は富裕層など個人の寄付が大半を占めると想定していたが、想定以上に企業からの反響が大きく驚いているという。

 企業の場合は寄付の他に資金が5年で返還される「拠出」の制度があり、積み上がった内部留保を活用して社会に貢献できる。とはいえ、この制度では奨学金を通して学生と接点を持つことが可能となるため、むしろ、そちらの方に魅力を感じている企業が多いようだ。

 労働市場で売り手有利の状況が続く中、今や、奨学金は企業にとって人材確保の有力なツールとなっている。採用や人材流出防止に向けた、企業の次なる“奨学金戦略”も注目される。