キオクシアは、SKグループにも抜かれて3位に転落し、トップのサムスン電子との差は23%にまで広がってしまった。WDもマイクロンに抜かれて5位に転落した。
この状態で、仮にキオクシアとWDが統合したとしても、その合計シェアは24.4%にしかならない。辛うじて22.1%のSKグループを上回るが、1位のサムスン電子(36.9%)とは12.5%もの差がある。サムスン電子との差は、年々、縮まるどころか、拡大する一方である(図4)。
半導体(特にメモリ)は、規模がモノをいうビジネスである。好況時に大量生産することによって利益を大きく稼ぎ出し、次世代の開発投資や設備投資を行う必要がある。しかし、キオクシアもWDも、売上高(シェア)で韓国メーカーに大きく見劣りする。このままの状態では、存続すら危ぶまれる。
そして、キオクシア(WDも)は技術的にも、韓国メーカーに大きく水を開けられている。
2016年頃に3次元化したNAND
DRAMやNANDなどを製造するメモリメーカーの宿命は、毎年毎年、高密度なメモリを出荷することである。NANDにおいては、2015年頃までは、データを記憶するメモリセルを微細化することによって、高密度なNANDを生産していた(図5)。
ところが、15~16nm以降、微細化が困難になってしまった。というのは、微細化によりメモリセルとメモリセルが接近し、右のセルにデータを書き込んだと思ったら、左のセルにも書き込まれる、いわゆるクロストークが起き始めたためだ。