今年5月に始まった初公判の罪状認否で早貴被告は、M氏に嘘をついていたことを認めていたが、自分の罪はこんな理屈で認めなかった。

「私が(M氏に)嘘をついたのは事実ですが、向こうはそれが分かっていてお金を振り込んだんです」

2人のメールから浮かび上がる事実

 裁判の争点は、M氏が早貴被告の嘘を信じて騙されていたのか否か、だった。

「早貴被告はM氏と交遊していた時期に、メールでM氏に頻繁に金の無心をしています。公判で明らかにされたメールの文面には、早貴被告がモデルの髪を傷つけてしまったことで弁護士と相談しているともありました。これはウソ話に信ぴょう性を持たせるため『弁護士と相談している』などと書いたのでしょう。早貴被告はM氏を騙す気が満々だったと言えます。

 一方で、M氏が送ったメールからは、M氏が彼女の嘘に気づいていると思われるような記述はありませんでした。『嘘を分かって騙されたふりをしていた』と主張するのは無理がありました。

 メールのやり取りを見る限り、M氏が早貴被告の嘘を信じていたと解釈するのが妥当と思われますので、早貴被告側にはM氏の訴えに対抗する術がなかったのでしょう。そこで早貴被告側が法廷で行ったのが、M氏の人格否定でした」(前出・司法デスク)