「私が詐欺師なら、被害者は性犯罪者」

 早貴被告は公判の被告人尋問で次のように主張した。

――M氏からキャバクラをやめろと言ってきたので、彼に市内のタワマンを借りてもらい愛人のような感じになった。美容学校の学費用に15万円は定期的にもらい、1回会うごとに10万円ぐらいもらっていたので合わせると毎月50万円ぐらいになっていた。月々の手当として金を受け取り、カラオケに行けば10万円ほど貰って、性的な行為をする関係で、このような関係は13カ月ぐらい続き、650万円以上は受け取った。

 性的行為については、10万円もらっているので抵抗しなかった。会うたびに体を触られ、徐々に下半身や性器を触られるようになっていった。エスカレートをしてきたときに、抵抗したことはあったが、(M氏に対して)無碍にすることはしないで“期待感”を持たせるようにしていた。

 留学費用については、1500万円という金額が突っ込みどころ満載で、嘘だと分かるでしょ? 分かっていて遊んで、話を合わせてくれているんだろうと思っていた。M氏は金額のことは信じていなかったと思う。

 ただ、これだけのお金を受け取ったのは事実で、嘘をついたことも反省しています。被害者の言い分では、私が一方的にお金をふっかけて騙し取ったようになっていますが、『オレオレ詐欺』みたいに善良な市民をだましたのとは違って、私が未成年と分かって体を求めてきた――。

 そのうえで早貴被告はこう述べた。

「私が詐欺師なら、被害者は性犯罪者だと思っています」

 約3000万円もの大金を騙し取った相手の気持ちを逆なでするような言い草だが、冷静に見れば、M氏が早貴被告の身体を弄んだというより、早貴被告がM氏の気持ちと財布を弄んだというほうが実態に近かったのではないだろうか。