2093年に人口半減の中国、漸増が続く米国

 都合の良いことに、7月11日の世界人口デーに合わせるように、新たな国連人口推計改訂版が発表されている。2022年から2年ぶりの2024年改訂版の発表である。

 前回の2022年改訂では、中国の総人口が減少し始めていたことが明らかにされ、世界中に衝撃を与えたのが記憶に新しい。また、中国の総人口は、2035年には14億人を割り、さらに2052年には13億人割れになるとされている。さらに半世紀後の2078年の人口は、10億人を下回るとのこと。

 このように、1970年代末から始まる一人っ子政策の影響が、世代を超えて時間差で将来の人口減少に反映されていることが明らかになったのが2022年改訂版だった。

 今回の2024年改訂では、減少ペースの加速度が増し、14億人を割るのが、5年前倒しされて2030年、13億人を割るのは6年前倒しされて2046年になっている。さらに2070年には10億人を下回り、2093年には2021年のピークの半減期を迎え7億人規模に至ることが示されている。

 中華人民共和国が成立した1949年から72年の歳月を経て2021年には14億人を超える人口大国になったものの、それからちょうど72年後の2093年には半減期を迎えてしまうというわけだ。

 歴史上、経済社会の転換は、人口減少を経験した後に生じているだけに、金換算量ベースでのGDPが上昇基調にあるからと言って、安心するわけにはいかない。

 それに対して米国は、2024年改訂で、さらに総人口が増加すると推計されている。金換算量ベースでのGDPの停滞は、一時的なものとの見方にも説得力が高まる。今後のノビシロはありそうだ。

 人口動態全体の変化の次に、経済規模に大きく影響する多消費世代の人口に着目してみよう。