ケネディ、ハリス当選阻止に動く

 一方、民主党大会開催中は、メディアからは相手にされなかったトランプ氏だったが、8月20日、第三党から立候補している「名門ケネディ家」のロバート・ケネディ・ジュニア氏に急接近した。

 ケネディ氏は、激戦州でのハリスとの一騎打ちに割り込む形で世論調査の支持率では数%取っているものの、「ハリス旋風」に吹き飛ばされ支持率はジリ貧だ。

 そこで(?)ケネディ氏の副大統領候補であるニコール・シャナハン氏がポッドキャストでこう述べたのだ。

「ケネディ氏は大統領選からの撤退を検討している。トランプ氏を支持することも考えている」

「この決定にはハリス氏がトランプ氏を破るリスクを弱める狙いがある」

 トランプ氏は、8月20日、CNNとのインタビューで直ちに反応した

「ケネディ氏は聡明な人物だ。昔からよく知っている。ケネディ氏が今何を考えているか分からないが、私を支持してくれるなら名誉なことだ」

「もしケネディ氏が(シャナハン氏の言うようなことを)考えているのであれば、私は喜んで受け入れる」

 ケネディ氏は元々民主党予備選に出馬し、その後第三党候補に転じた。

 環境保護を専門とする弁護士として水質汚染訴訟などを手掛けてきたリベラル派で、反大企業、反製薬企業を旗印に選挙キャンペーンを続けてきた。

 それが、ここにきて親大企業のトランプ氏支持に一転する経緯に首をかしげる声も少なくない。

「立候補は結局、政権内のポジション欲しさの猟官運動だったのか」という声だ。

 CNNは、トランプ氏の発言を「自分を支持してくれれば、当選の暁にはケネディ氏を閣僚にする」と解釈している。

 だが、ケネディ票を得て、トランプ氏は「ハリス旋風」を止められるかどうか、こればかりは分からない。

(トランプ氏は企業家イーロン・マスク氏についても、支援してくれれば閣僚に起用すると「約束手形」を切っている。むろん、マスク氏からの巨額の軍資金提供をあてにしている)

cnn.com/politics/trump-consider-appointing-rfk-jr-administration-role