予備役ウォルズ、1989年に中国で英語教える

「ハリス旋風」阻止戦略で、トランプ陣営が目をつけているのは、民主党副大統領候補ティム・ウォルズ氏の長年にわたる中国コネクションだ。

 米国民の日常生活に直結するガソリン価格を左右するイスラエル・ハマス戦争などを除けば、外交問題は大統領選ではあまり取り上げられないのだが、唯一の例外は、対中政策だ。

 中国の軍事的経済的脅威は超党派で危機感を煽るアジェンダだ。国民の58%が中国は「最大の脅威」と答えている。

globalaffairs.org/americans-feel-more-threat-china-now-past-three-decades

 トランプ陣営が1980年代から中国と親密な関係を育んできたウォルズ氏を攻撃材料にするのはむしろ当然のことだ。

 トランプ派のジェームズ・コマー下院監視・説明責任委員長(ケンタッキー州選出)は、連邦調査局(FBI)にウォルズ氏の「中国コネクション」を徹底調査するよう要請している。

 もっとも、この要請はウォルズ氏が副大統領候補に選ばれる以前、同氏がミネソタ州知事当時の今年4月の段階でなされている。

 コマ―氏は、FOXニュースのジェッシー・ワッターズ氏とのインタビューでこう述べている。

「ウォルズは、1989年に非営利団体インターナショナル・ティーチング・プログラムで訪中し、1年間英語を教えていた。当時、陸軍州兵の予備役だった」

「この男は中国の世界観、つまり中国共産主義を受け入れていた。中国こそ米国にとってのビジネスモデルと考えていた」

「中国共産党は、この男を米国の政治プロセスにおけるライジング・スターに育て上げ、米政府内への足掛かりにしようとしていた」

「ウォルズはその後、下院議員になったため、がっかりしていているはずだ」

 ところがそのウォルズ氏は、ミネソタ州知事から副大統領になるかもしれないのだ。

 もっとも外交専門誌「フォーリン・ポリシー」のポール・マスグレイブ氏はこう指摘している。

「ウォルズ氏は下院議員当時、中国の人権抑圧政策を厳しく糾弾しており、容共でも親中でもない」

 コマ―氏の動きに呼応してJ・D・バンス共和党副大統領候補は、ウォルズ氏の「中国コネクション」を取り上げている。

 民主党全国大会で正式に同党副大統領になったウォルズ氏の中国スタンスを標的に今後厳しく追及する構えだ。

 バンス氏はウォルズ氏と10月1日、テレビ討論会で直接対決する。

washingtonpost.com/rights-serious-minds-have-tim-walz-chinese-sleeper-agent-theory/

 トランプ・バンス陣営の恥も外聞もない、巻き返し攻勢が始まった。