競技団体の報奨金、ゴルフは金で2000万円、柔道はゼロ

 JOCの他に各競技団体が報奨金の制度を設けている場合もあります。

 例えば、日本体操協会は金50万円、銀30万円、銅20万円。3冠を達成し、メダルを4つ獲得した岡選手への報奨金は合計170万円(50万円✕3プラス20万円)となる計算です。

 各競技団体の報奨金は、スポーツの種類によって大きな違いがあります。

ゴルフ男子で銅メダルを獲得した松山英樹選手(写真:青木紘二/アフロスポーツ)

 最高額はゴルフです。松山英樹選手(32歳、LEXUS)は銅メダルを獲得し、惜しくも優勝できませんでしたが、日本ゴルフ協会は金メダルには2000万円を用意していました。銀は1000万円、銅は600万円。日ごろから高額賞金のツアーを転戦しているプロ選手にふさわしい金額かもしれません。

 ゴルフに次ぐ高額は卓球(シングルス)とバドミントン(個人)の金1000万円、銀500万円、銅300万円です。以下、金メダルの金額順に見てみると、7人制ラグビーの500万円。陸上、ブレイキン、スポーツクライミング、ウエイトリフティングの4競技がいずれも300万円などとなっています。

 ただ、すべての競技団体がメダリストへの報奨金を用意しているわけはありません。パリ五輪でメダリストを輩出した柔道やスケートボードなどは競技団体からの報奨金がゼロ。シングルスには比較的高額な報奨金が出る卓球も団体には報奨金が出ません。このため銀メダルを獲得した女子団体はJOCからの報奨金のみとなりました。

 大会による金額の変動もあります。日本陸上連盟はリオデジャネイロ五輪と東京五輪の際、個人種目のメダリストには金2000万円、銀1000万円、銅800万円の報奨金を出すことを決めていました。ところが、パリ五輪ではそれぞれ300万円、200万円、100万円に減額。日本陸連の財政状況が厳しいとして、大幅な減額となったのです。

 JOCと競技団体からの報奨金とは別に、所属企業やスポンサーなどから報奨金が出るケースもあります。多くは金額非公表ですが、東京五輪では「1億円の報奨金」が話題になったことがあります。フェンシング男子エペ団体で日本は初の金メダルを獲得。その一員だった身延和靖選手に対し、所属先のアミューズメント企業NEXUS(群馬県高崎市)から1億円が贈られたのです。同社CEOも元フェンシング選手で、若いときに経済的に苦労しながら転戦を続けていたことがきっかけだったとされています。