猛暑が続くなか、砂糖が入ったペットボトル飲料の飲みすぎには要注意(写真:MosayMay/Shutterstock)

2024年の夏、日本では記録的な猛暑が続いています。7月の平均気温は、過去最高だった2023年7月の記録を更新し、史上最も暑い7月となりました。この傾向は8月に入っても変わっていません。この暑さを乗り切るためには水分のこまめな補給が欠かせませんが、スポーツドリンクなどの清涼飲料水を飲みすぎると、「ペットボトル症候群」に陥る可能性があります。糖尿病の症状を引き起こし、最悪の場合は意識を失うことがあるというこの症候群。具体的にはどのようなものでしょうか。やさしく解説します。

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異常な猛暑、水分補給は欠かせないが…

 それにしても暑い夏です。

 日本の平均気温は都市化の変化を受けにくい15地点の平年値(1991〜2020年の30年間の平均気温)をもとにし、その時々の観測記録と平年値との差で示されています。気象庁によると、2024年7月の日本の平均気温は平年値を2.16度も上回り、観測史上で最も高くなりました。「記録的猛暑」と言われた前年2023年7月も平年値を1.9度上回る猛暑でしたが、2024年7月の記録はこれをさらに0.26度も上回りました。

 最高気温が35度を超える猛暑日は、全国914の観測地点で総計3509回に達しています。また、62観測地点で歴代1位の高温を記録しました。この傾向は8月に入っても変わっておらず、例えば、名古屋では8月14日まで猛暑日が21日も連続するなど「猛烈」「記録的」といった言葉では言い尽くせないほどの暑さに見舞われています。

 熱中症の被害も深刻です。総務省消防庁の速報値によると、2024年4月29日〜8月11日の期間中、熱中症や脱水症状で救急搬送された人は前年同期より1割ほど多い6万8000人あまりに達しました。このうち、入院・加療が必要な中等症以上と診断されたのは3割強に上っています。

 こうした猛暑をしのいだり、熱中症を予防したりするには、こまめな水分補給が欠かせません。その際、ペットボトル飲料を利用することも多いはずです。しかし、糖分の入った飲料を飲みすぎると、身体に思わぬ事態を引き起こす恐れがあります。それが「ペットボトル症候群」です。