セミヌード売る英国選手の懐事情
アスリートたちは、報奨金を目当てに厳しいトレーニングを続けているわけではありません。それでも、普段の試合はテレビでも滅多に放送されないようなマイナー競技の選手たちは、常に資金の問題に直面しています。
マイナー競技であっても五輪に臨むようなハイレベルの選手の周辺には、トレーナーや医療関係者、セラピストらが必ずいます。そうした関係者に伴走してもらう費用はばかになりません。練習施設の確保や遠征の費用もかさみます。
選手の置かれたこうした環境は、洋の東西を問わず、常に問題視されてきました。
パリ五輪で話題になったのは、男子シンクロ板飛び込みで銅メダルを獲得した英国のジャック・ロアー選手(29)です。同選手は競技生活の傍ら、自らのセミヌードをアダルト色の強い有料サイトで公開していると公言しました。ロアー選手のインタビューを伝えた英紙テレグラフによると、露骨な写真・動画は使わないものの、これらの投稿は生活費を稼ぐためだそうです。
世界トップ3の選手ながら競技に関連して得られる収入は30歳間近になった今も年間500万円あまり。英国の30〜39歳の平均給与約720万円と比べても大きな差があります。
普段のトレーニングは週6日、1日8時間。サイトへの投稿で稼がないと、練習経費どころか日々の暮らしもままなりません。しかも英国の飛び込み選手でこうした活動を続けているのはロアー選手だけではないそうです。
日本のオリンピアンでも資金に苦しんでいる選手は少なくありません。各国で開かれる大会への出場費用を稼ぐため、宅配便の配達などのアルバイトに従事していたといったケースもたびたび伝えられています。