大暴落の後、急反発したが・・・
エコノミストの多くは「米国の景気は、実はそこまで悪くないとの見方が広がったため」としています。製造業の指標は確かに悪化しましたが、その後に公表された非製造業の指標が市場の予測ほど悪くなかったことなどが要因です。
米市場では、暴落したハイテク株を買い戻す動きも出ており、両極端に振れた値動きは次第に調整されてくるだろうとの見方も広がってきました。「みんな、落ち着こう」とうわけです。
値を戻す上昇は8月6日、東京市場だけでなく、香港や韓国、オセアニアなど広い地域に広がっています。
もちろん、世界経済には不確実性の高い要素がたくさん横たわっています。中東情勢やこの秋の大統領選、ウクライナ戦争の状況などによって、企業の業績見通しや投資家の判断は大きく揺れ動くでしょう。日本では、今回の大暴落に伴い、関係閣僚や金融当局が密な協議を続けています。
しかし、政府の対策や日銀の金融政策によって経済を安定成長の軌道に乗せることが極めて難しいことは、ここ数十年の歴史が示しているところでもあります。果たして、経済・金融はどう動くのか、動かすのか。以前にも増して、日々のニュースから目を離せません。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。