その3:中東情勢のさらなる不安定化
見逃せないのは中東情勢のさらなる不安定化です。イスラエルによるパレスチナ地区ガザへの侵攻は今も終わらず、多数の犠牲者が出続けています。それに伴い、イスラエルと周辺のイスラム国家の対立は激しさを増していますが、ここに来て今後の中東情勢を大きく左右しかねない出来事も発生しました。
イスラエルと対立するイスラム組織ハマスの最高指導者が7月31日、イランの首都テヘランで殺害されたのです。イスラエルは認めていませんが、ハマスや支援国は「イスラエルによる暗殺だ」と認定。イスラエルへの軍事攻撃も辞さない態度を示しています。
中東情勢が悪化すれば、原油生産にも大きな影響が出るため、世界的な景気減速は避けられません。このため、投資家がリスク分散を意図して株を売り払っているとの見方も市場では広がっています。
また、投機的な取り引きが今回の大暴落を招いたとの指摘もあります。短期的な高速取り引きで利ざやを稼いだり、空売りや先物取引を集中させたりしたのではないか、というわけです。
8月1日に「4451円安」という歴史的な大暴落を記録した東京株式市場は、翌6日、今度は史上最大の上げ幅を記録しました。なぜ、東京市場の株価は戻ったのでしょうか。