その2:日銀の追加利上げ

 この利上げについて、日銀の植田和男総裁は記者会見で「輸入物価が再び上昇に転じており、先行き、物価が上振れるリスクに注意する必要がある」と述べました。「円安・ドル高」によって物価高が進むことを懸念し、適切な「円高・ドル安」へ誘導するための利上げだと説明したのです。

 また、植田総裁はこの利上げによって「強いブレーキが景気にかかるとは考えていない」と強調。そのうえで、今後の景気動向や経済指標次第では「次の判断をすることになる」と述べ、さらなる利上げの可能性も示唆しました。

 しかも、翌8月1日には米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、早ければ9月に利下げする可能性に言及。日米の中央銀行トップが同時に「円高・ドル安」を是認する発言を繰り出したのです。

 このため、機械や自動車などこれまで円安の恩恵を潤沢に受けていた輸出企業の先行きに対する不安が増幅。東京株式市場では、これら輸出企業を中心に「売り」が殺到し、歴史的な大暴落へとつながりました。

 大暴落を引き起こした要因は、ほかにも指摘されています。