ポイント③:下落や暴落は気にせず、淡々と「保有&積立継続」しよう

 今回のような暴落があったときにやってはいけないことは、「慌てて売却する」ことです。

 なぜから、過去を振り返っても下がり続けた相場はないからです。必ず、暴落から回復し、上昇してきているのがわかります。回復に要する期間は様々ですが、今回の暴落もこれまでと同様に、いずれ回復・上昇していく可能性はかなり高いでしょう。

<グラフ:1980年〜2024年7月末までの「S&P500」の推移>

出所:(株)Money&You作成
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「S&P500」の推移を見てみましょう。2008年9月のリーマンショックではピークから53%も下落しましたが、5年後の2013年3月には暴落前の水準を回復しました。コロナショックや、ロシアのウクライナ侵攻(ウクライナショック)も同様です。

<表:暴落から回復するまでの期間の目安>

出所:著書『マンガと図解 50歳からの「新NISA×高配当株投資」』(KADOKAWA)
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 暴落に動揺して慌てて売却してしまうと、その時点で利益(または損失)が確定し、その後の資産回復・上昇の恩恵を一切受けられなくなります。S&P500のケースでは、暴落してから回復までにかかる期間はおおむね1〜3年です。どれくらいで回復するのかを把握しておきましょう。

 市場が将来的に値上がりする可能性が高いならば、積立投資を継続した方が良いということもわかります。そして、暴落をチャンスに変え、感情に左右されず淡々と資産形成できるのが積立投資のメリットです。積立投資は、「ドルコスト平均法」の効果を味方につけることができます。

 ドルコスト平均法とは、定期的に定額で購入し続ける方法です。金融商品の価格は長期的に右肩上がりでも、短期的には上下に変動しながら推移していきます。

 ドルコスト平均法では、金融商品の価格が安いときにはたくさん購入し、価格が高いときには少しだけ購入することになります。その結果、自然と平均購入単価が下がり、価格が上昇したときにその分だけ利益を得やすくできます。これがドルコスト平均法の効果です。