ポイント②:値動きの大きさに耐えられないなら、値動きを抑えた資産へ入れ替える

 リスク許容度に見合わない投資をしていると、相場が下落する局面では値下がりも大きくなり、より大きな影響を受ける可能性が高くなります。堅実に増やすための投資の王道「長期・積立・分散投資」が大事であるとわかっていても、落ち着いて投資を続けられなくなってしまいます。

 そのため、リスク許容度に見合った投資先に変更することをお勧めします。

 日経平均、オルカン、S&P500、どれも株に100%投資する投資信託ですから、値動きは債券などに投資する投資信託と比べて大きくなります。

 これらに投資をしていて値動きが激しくて精神的につらいという場合は、債券やREIT(リート)といった複数の資産に投資するバランス型投資信託への入れ替えや、債券に投資する投資信託、REITに投資する投資信託に一部入れ替えるなどして、値動きを抑える工夫をするとよいでしょう。

 実際「オルカン」の愛称で親しまれる全世界株インデックスファンド「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の5年リターン(年率)は19.13%ですが、5年リスク(年率)は19.97%です。ここで言う「リスク」は「リターンの標準偏差(変動幅)」を指します。

 国内外の株と債券の4資産に均等投資しているバランスファンド「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」の5年リターン(年率)は9.86%ですが、5年リスク(年率)は10.33%です。数字はいずれも2024年7月26日時点です。

 4資産バランスファンドのリターンは、世界株インデックスファンドと比べて半分になっていますが、リスクも半分程度に抑えられていることがわかります。