ヒラリー・クリントン大統領候補はあり得るのか(写真は5月23日、ケニア大統領夫妻の公式晩餐会にホワイトハウスを訪れたヒラリー、ビル・クリントン夫妻、写真:AP/アフロ)

バイデンに医師団からイエローカード

 外堀を埋められた「バイデン城」は、6月27日の討論会での情けないパフォーマンスで内堀を埋められ、火の手はいよいよ本丸に迫った感すらする。

 支持率は低迷し続け、(ジョー・バイデン大統領の願望も空しく)ニューヨーク・タイムズをはじめとする主流メディアによる連日の大統領選撤退要求に呼応するかのように、民主党内からの「降りろ」コールは収まるどころか日増しに強まっている。

 こうした状況を無視し続けるバイデン大統領(民主党大統領候補)をドナルド・トランプ前大統領は、(自分自身のことは棚に上げて)「エゴ以外の何物でもない」と内心ほくそ笑んでいる。

(カマラ・ハリス副大統領ではなく、バイデン氏相手なら大統領選挙は勝てると見ているからだ)

 「傲慢なバイデン」に、今度は主治医グループがイエローカードを突きつけた。

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「進退は全能の神が決める」と言っていたバイデン氏だが、医師団からのイエローカードは「高齢からくる職務遂行の困難さを具体的、科学的、医学的に立証した」(米主要紙コラムニスト)ともいえる。

 ホワイトハウスの訪問者記録によると、バイデン氏が大統領に就任した後の2022年11月~24年3月28日にパーキンソン病の専門医がホワイトハウスを10回訪れていた。

(バイデン氏が副大統領を務めていた8年間には27回)

 ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は報道を受け、「バイデン氏がパーキンソン病の治療を受けている事実はない」と言明したが、今や報道官の発言を鵜呑みする者はいない。

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 パーキンソン病にかかると、神経細胞の弱体化や損傷による運動障害が生じ、体の震えや平衡感覚の欠如、こわばり、動作の困難といった症状が出る。

 米メディアが、6月27日の討論会でのバイデン氏のパフォーマンスなど危なっかしい言動はパーキンソン病と関係があると見ているのは、むしろ当然だ。

 第2期4年どころか、症状次第では現職大統領としての職務すら全うできない。

「にもかかわらず、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議だ、日米韓首脳会議だ、『激戦州』遊説だ、と本当にこなしているのか、本当は影武者がいるのではないのか」(ワシントン政界情報通)といったジョークすら聞かれる。

 自尊心とプライドだけは依然、健在である。「降りろ、降りろ」と言われればなおさら頑張る。

 そのいい例が、バイデン陣営のカマラ・ハリス支持派が流した「バイデン撤退、ハリス禅譲」説だ。

 これには、バイデン氏自身とインナーサークルが激怒したと言われている。