7月5日の取引時間中、一時4万1100円台をつけた日経平均株価(写真:共同通信社)

(市岡 繁男:相場研究家)

米国株や銀行株の上昇などが追い風に

 7月に入り、株高が進んでいます。日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)とも史上最高値を更新しました。

 とはいえ特段、大きな材料が出たわけではありません。一つの要因として指摘されるのは円安が進んだことです。筆者が注目する月足MACDというテクニカル指標からも、TOPIXは2023年4月から24年6月末まで、15カ月連続で「買い」シグナルが続いています(図1)。

「Moving Average Convergence Divergence」を略したもので、短期と長期の移動平均線を使用して、売買タイミングを判断する方法

【図1】出所:東証 注)○×はMACDの売買シグナルが、株価の方向性と一致したかどうかを検証したもの
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 この月足MACDは過去、日本株の方向性をほぼ的確に捉えてきました。1955年以降、過去の買いシグナル継続期間は14~43カ月間なので、現在の強気相場はもうしばらく続いても不思議はありません。

 この指標が「売り」シグナルに転じるには、最短、株価が7月から9月末の3か月間で1割以上、下がることが条件になります。

 実際には、米大統領選挙の年(36カ月目以降)はほぼ米国株が上昇していること(図2)、TOPIXの上値を抑えてきた銀行株指数が円金利の上昇とともに急伸していることなども、株価の強気見通しを裏付けています。

【図2】出所:WSJ電子版
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