どう対策したらいいのか
ランサムウェアによる被害は今も日本各地で頻繁に確認されています。この3年間に限っても、有名企業や医療機関、自治体、大学、生活共同組合などあらゆる組織が攻撃を受けています。
警察庁の資料によると、被害に遭った事業所のうち、3割以上は復旧に1カ月以上もかかり、5割以上の事業所が復旧に1000万円以上を費やしています。現代ではコンピュータなしでは、仕事も学習も進みません。では、ランサムウェア対策はどうすればいいのでしょうか。
個人レベルでは「不審なメールやサイトを開かない」「仕事用のパソコンに管理者の許可を得ずにソフトウェアをインストールしない」「パスワードを適切に管理・設定する」といったことが必要です。
事業所レベルでは「OSを常に最新にし、ウイルス対策ソフトを導入する」「認証機能を強化する」「ファイアウォールを設定し、不審な通信をブロックする」といった対応が欠かせません。
いずれにしろ、こうした対策はあくまでも初歩的なもので、コンピュータがネットワークにつながっている限り、いつ、ランサムウェアの攻撃対象になるか分かりません。「明日は我が身」。その言葉を忘れず、データのバックアップ体制の強化も含め、常日頃から警戒する必要がありそうです。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。