田中角栄の明晰さ、学歴との関係は?

 小池候補は、なぜ「甲南女子高等学校卒業」(ちなみに甲南は私の伯父の母校です)「関西学院大学社会学部中退」、カイロ大学「2年編入、中退」と正直に書けないのか?

(ちなみに関西学院は、甲南の伯父の父、私の祖父の母校です。いずれも旧制高校で、その後、大学に進学していますが、ウチの母方と小池氏の故地は神戸近在の同じエリアです)

 本質的な部分で、自信がある人なら、こういうつまらない嘘をいつまでも引きずることはないことが大半です。

 また、そうしたふんぎりと分別のつかないところに、学術的な背景を踏まえた公職としての判断業務への適性に欠ける要素を私は強く感じます。

 例えば故・田中角栄氏は「新潟県刈羽郡・二田尋常・高等小学校卒」を前面に押し出しつつ「コンピューター付きブルドーザー」の異名を取る明晰さで知られました。

 実際には高等小学校卒業後も、東京で「中央工学校」などを卒業しているのに、あえて軒先を低くした。

 結果的に党人政治家と官僚政治家、双方の特長を併せ持つ稀有な能力を発揮した。

 ほかにいくらでも確かな実績があるので、学歴などで虚勢を張る必要が一切なかった。もちろん、その後の人生は周知のように賛否両論に分かれます。

 でもいま、小池候補の記者会見どころか都議会の答弁ですら拒否連続の体たらくと、田中角栄氏の記者会見演説(生前最後の公開演説、66歳)などと見比べると、明らかに器が全く違います。

 比べるのも失礼、という気すらします。

 角栄演説の内容に含まれる諸問題は措くとしても、政治家として立つ信念と言語の明晰さ、強さ・・・昨今の泡沫候補群の太刀打ちできるところでは全くありません。

「ウソのない領分」で、誠実に物事に向き合う。そういう都知事候補が立ってくれれば、大いに応援したいと思うのですが・・・。