街頭演説に向かう小池百合子都知事(6月30日、写真:つのだよしお/アフロ)

 悪夢というより悪い冗談のような東京都知事選、選挙戦も終盤に差しかかりました。

 過去に「現職都知事」の再出馬は12戦0敗とのことで落選例はなく、「ジッとしてればコイケさん」というのが小池選対の手法だったようです。

 後で記しますが、このあり方は古代ギリシャ、アテネで都市国家から「追放」された「僭主=人間ティラノザウルス」のあり方と似たものを感じます。

 普段はモグって支配しつつ、草食系を食い物にする「人間ティラノザウルス=僭主」。

 これと同様かは分かりませんが、当初は姿を現さない「ステルス戦法」を小池百合子候補は選択した様子でした・・・。

 ところが、郷原信郎弁護士を筆頭にいくつも落選運動が立ち上がり、世論調査などイメージ作りでは糊塗しづらいと判断したのか、潜るのを途中でやめ、遅まきの街頭演説も始めた様子です。

「飛び交う抗議ビラ」「拘留中の政治団体代表陣営も接近」「街宣会場はカオス」などと、メジャーのメディアにすら報道されています(リンクは産経新聞)。

 さらに週刊新潮/デイリー新潮には、東京都の幹部が14人も三井不動産に天下って神宮外苑や築地市場跡地、五輪選手村跡地などの「巨額再開発事業」を牛耳る詳細が報道されるなど、続々と実態が白日のもとに晒されるようになってきました。

 これはまさかの「現職都知事落選」という可能性も出てきたかもしれません。

 そこで、今回は日本の民主主義が定着しない大きな原因の一つとして「落選させる権利」の行使に実感が希薄であった事実を、指摘したいと思います。