(黒木 亮:作家)
去る6月18日、小池百合子東京都知事を学歴詐称で刑事告発し、記者会見を開いた小島敏郎氏に対し、東京国際大学教授のイサム・ハムザ氏(カイロ大学名誉教授)が、質疑応答セッションで真っ先に手を挙げ、「学生時代に小池氏に学内で会ったことがある」「小池氏の卒業証明書は本物」などと、長々と力説した。
一般の日本人にも開催がほとんど知られていない記者会見のことを一介のエジプト人学者がどこからか聞きつけ、参議院議員会館内の会見場に入り、小池氏擁護論を展開したことに胡散臭さを感じた人は少なくない。
同じ穴のムジナ
端的にいうと、このイサム・ハムザという人物は、小池氏の「手駒」の一人だ。本人は「誰に頼まれたわけでもなく、自分の意思で(会見に)来た」と語ったが、小池氏サイドによって会見場に送り込まれたと考えられる。
ハムザ氏は、カイロ大学文学部日本語学科の第1期生(1978年卒業)で、同大学で日本語学科長などを務めた後、JICA(国際協力事業団)が20億円の無償資金協力(贈与)によってエジプト北部のアレクサンドリア市に設立したエジプト・日本科学技術大学で2018年からリベラルアーツ・カルチャーセンター長を務めていた。要は日本国民が払った税金で飯を食べていた人物だ。
8年前に小池氏が都知事に初当選したとき、同氏が祝福のメッセージを送ったことは【「カイロ大卒業」を取り繕うエジプトの小池人脈】という記事に書いたとおりだ。