今回の都知事選でも、小池氏は当初、街頭演説を極力行わない方針で、テレビでの公開討論会も拒否している。これは学歴詐称疑惑の質問から逃げるためだ。

 その後、蓮舫氏や石丸氏ら他候補の追い上げに焦って、渋々街頭に出始めたが、「船上遊説」などで、やはり質問から何とか逃げようとしている。本当に卒業したというのなら、堂々と反論すればよいだけのはずだが。

東京都江東区の運河で船の上から街頭演説する小池百合子氏(写真:共同通信社)
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2016年7月、東京都知事選に初出馬した時には、支援を訴え築地場外市場を練り歩いた小池百合子氏だったが、今回の選挙戦では…(写真:共同通信社)
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エジプトに借りをつくり、国家安全保障に脅威を与える

『カイロ大学』という著作もあるジャーナリストの浅川芳裕氏(カイロ大学オリエント言語学科ヘブライ語専攻、1995年中退)は、小池氏はエジプト政府のために働く「エージェント」同然で、2016年に日本政府が発表した300数十億円に上る日本からのODA(政府開発援助)による教育支援「エジプト・日本教育パートナーシップ」の端緒を開いた可能性があると指摘している。

 また小池氏が、2020年にカイロ大学声明の発出工作を行い、それを在日エジプト大使館のフェイスブックに掲載してもらうよう依頼したことは、民主主義の根幹である選挙に外国勢力の介入を招いたと多方面から厳しく批判されている。

 最近、無責任なネットメディアがPV(ページビュー)稼ぎで、イサム・ハムザ氏の主張を垂れ流したりしている。

 しかし、小池学歴詐称問題は、経済が破綻状態(格付会社ムーディーズによる長期信用格付けはCaa1で、投資不適格の中でも相当下)で、日本政府から1円でもODA(政府開発援助)を引き出したいエジプト政府の利害がからむ話で、日本という国家に対する様々な危険性をはらんでいる。

 有権者が安易に垂れ流される「手駒」の出鱈目な主張や、小池氏の隠蔽工作に惑わされたりしないよう、警鐘を鳴らしておく。