法律を守る意識が希薄なリーダーが世界を代表する都市の一つを率いているとしたら・・・日本としても恥ずかしいことではないだろうか(ProtaによるPixabayからの画像)

現職都知事が刑事告発受ける

 小池百合子東京都知事が、公職選挙法違反で選挙期間中に刑事告発を受けました。

 告発したのは郷原信郎弁護士と、神戸学院大学法学部教授の上脇博之さんのお2人。

 現職の知事が選挙に出る場合、通常なら選挙期間中は休職、副知事など地方自治法に基づく執行代理を立てるのに、小池都知事は「公務優先」を旗印に、それを立てませんでした。

 そして、候補者でありながら、露出のある公務には取り巻きの記者が取り囲み、候補者としてのPRを公務の中で行っていたのです。

 これは、公職選挙法136条の2第1項1号に明確に違反しており、現職の都知事が刑事告発されました。

 私の見る限り、これを最初に指摘したのは、鳥取県知事、総務大臣を歴任した片山善博氏と思われます。自治省出身の公務員OB、こうした法務には精通しておられて当然です。

 これに着目した郷原弁護士が、公職選挙法136条の抵触を念頭に刑事告発に踏み切られた。お手盛りの質問を発し、それに答える形で選挙違反が行われたので、当初は記者も告発される可能性があったようです。

 以下の記事は、7月5日に郷原さんが刑事告発されると知る前に準備したものに加筆しました。

 かつて地上波放送を経験した私個人としても、「都知事」の定例会見で「候補者PR」の事実に驚嘆、原稿を準備し編集部に送った後、郷原さんの刑事告発や、新宿駅頭での小池百合子候補の街頭演説が、反対者の「帰れ」コールで止まった事実などを知りました。

 たまたま本稿のリリースは、東京都知事選の投票日当日になりましたが、以下、法源を明確にしながら、学術の観点で公職選挙法136条2に明らかに抵触する事例を客観的に解説する内容として記すもので、選挙運動でもなければ落選運動ですらありません。

 法理とケーススタディとして、また1回の選挙というより、我が国の代議制がまともに機能することを長期的な視点、国家百年の計に照らして、強く期待する次第です。

 小池さんは、現職都知事として本当に落選する可能性もありうると思い始めています。

 また、仮に最多得票数を集めても、公職選挙法に違反すれば当選無効ですので小池都政は8年でピリオド、都庁職員の皆さんも、ブラック就労から解放されるように思います。