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 鹿児島県警の不正告発を扱った前回稿は、筆者の予想を超えて一定期間トップビューのご反響をいただきました。

 そこで、さらにもう一歩踏み込んで、本田尚志警視長(定年退職時昇進の階級で表記)が公益通報書面に込めた、いくつかの「暗号」について、考えてみたいと思います。

 まず、本田警視長の告発文が発見されたきっかけとなった、福岡に本拠を持つネットメディア「Hunter」への家宅捜索と、捜査の「機密情報を漏らした」として逮捕、起訴されている藤井光樹巡査長(49)のケースを、よく見てみましょう。

 大手メディアの類は、警察の発表をそのまま流す場合が多いので、藤井巡査長はさも悪事を働いた悪い奴といった書きぶりで記事が構成されています。

 しかし、藤井氏が送付した内部資料「告訴・告発事件処理簿一覧表」は、鹿児島県医師会の男性職員(2022年10月に退職)が強制性交の疑いで捜査対象となった時期、きわめて不適切な処理が行われていた事実を克明に示す公益通報だったのです。

 すべての原点は2021年8~9月に鹿児島西警察署管内で発生した「強姦事件」と、その「もみ消し」にあり、「告訴・告発事件処理簿一覧表」を一読すれば、それら不正の数々が手によるように分かってしまった。

 これが漏れたことから、野川明輝本部長以下、鹿児島県警は「犯人捜し」にやっきとなり、前代未聞の「報道機関」への(令状なしを含む)家宅捜索などを強行したのでした。

本田警視長の暗号

 そもそも本田氏の「闇をあばいてください」文書には、第三者の名が記されていました。

 すでに報道にも出ている「井上昌一」前鹿児島県警刑事部長です。彼は「枕崎の盗撮など、捜査の指揮にかかわったことはない」と主張している。

 では不正捜査と井上氏は無縁なのでしょうか?

 先にも記した通り、2021年8月から9月にかけて、新型コロナウイルス対策のため療養施設に指定された鹿児島市内のホテルで、鹿児島県医師会の男性職員「s」による強姦事件が発生しました。

 女性スタッフは抵抗したけれど、相手の巨体と腕力の前になすすべもなく、恐怖で固まったまま凌辱された、らしい。

 問題は、この婦女暴行犯「s」が、鹿児島中央署に勤務する警部「S」の息子で、親子そろって犯罪行為のもみ消しに動いた点にあります。

 当初は、被害者に謝罪文なども書いていた婦女暴行犯「s」ですが、警察から「同意の上だった、ということにすれば犯罪にならない」とお墨付きをもらって以降は開き直り、むしろ逆に被害者側を名誉棄損で実質反訴した。

 さらに、本来ならそれらを扱うはずの鹿児島西警察署ではなく、わざわざ、容疑者の父「S」が勤務する鹿児島中央署に、何の理由もないのに「警察幹部の意向で」移管して、摩訶不思議な「捜査」ならぬ「操作」を実施。

 警察内部では「S」を異動させるべきとの声が上がったにもかかわらず、そうした常識的な意向は「幹部」によって「無視された」ようです。

 このため「婦女暴行犯s」は、同じ取り調べ警察官から同時に、一方では不同意性交の「容疑者」として、また他方では名誉棄損の「被害者」として、取り調べを受けるという前代未聞の状態を作り出していた。

 そしてこの時の「鹿児島中央署長」こそ「井上昌一」前刑事部長、その人だったわけです。

 本田警視長は、「本田文書」に記す名を「野川本部長でなければ誰でもよかった」とコメントしたとなっていますが、非常にジェントルな謎解きになっているわけです。

 中央の大手メディアは「井上昌一」などという人物を知りません。しかし「Hunter」「井上昌一刑事部長」などとして検索すれば、まさに疑惑のデパートと言わんばかりにリンクが次々と検索されてきます。

 問わず語りにそれらを示すことで、一つや二つではない、まさに「県警の闇」を暴いてほしい・・・そのような本田警視長の真情が見て取れる「暗号」を、読み解いてあげなければいけません。