掲示板には48人分しか確保されていない。そこで都選管は、届け出が49番目以降の候補者にはクリアファイルや画びょうを支給し、それを使って掲示板の端にポスターを掲示するよう要請している。その経費の財源も、私たちの税金である。

政党隠し

 いつからそうなったのか定かではないが、自治体の首長選挙では、候補者は「無所属」を標榜するのが通例となっている。そうしたほうが、無党派層の票をより多く獲得できるからだという理由からである。蓮舫も、立憲民主党を離党し、無所属候補となった。

 2014年の都知事選に私は立候補し、当選した。国会議員の経歴を始めたときは自民党所属であったが、2009年夏に政権が民主党に移ったことを契機に、離党し、新党改革を立ち上げた。しかし、党勢拡大は難しく、2013年夏の参議院議員としての任期を全うした後、国会を去った。

 その半年後、猪瀬都知事が辞任し、都知事選挙が行われることになった。各種世論調査で、次期都知事として私の名前を挙げる人が圧倒的に多く、自民党が私にアプローチしてきた。その結果、2014年1月に、自民党、公明党の推薦候補として、立候補することが決まった。私も、一般的な風潮に従って、新党改革を離党して、無所属で出馬することにしたのである。労働組合の連合も、私への支援を約束した。

 その他に、共産党と社民党の支援を受けた宇都宮健児、小泉純一郎元総理が支援する細川護熙元総理、石原慎太郎元都知事が支援する田母神俊雄などが立候補した。

 選挙期間中は、安倍首相や公明党の山口代表が、銀座などでの私の街頭演説会に駆けつけ、応援演説をした。つまり、無所属ではあっても、国政与党の自公代表として立候補していることは明らかであった。

 結果は、舛添が約211万票、宇都宮が約98万票、細川が約96万票、田母神が約61万票であった。