「都民ファーストの会」元事務総長で弁護士の小島敏郎氏が「文藝春秋」5月号に発表した手記をきっかけに、小池百合子・東京都知事の学歴問題が再びクローズアップされています。6月18日には小島氏が東京地検に、小池氏に対する公選法違反(虚偽事項の公表)罪での告発状を提出しました。この問題について人気作家、黒木亮氏がJBpressでレポートした連載記事をもう一度お届けします。(初出:2024年5月18日)
※内容は掲載当時のものです。(JBperss編集部)
(黒木 亮:作家)
外国政府による選挙への介入を誘導
元東京都特別顧問で弁護士の小島敏郎氏の告発によると、2020年6月に在日エジプト大使館のフェイスブックにアップされたカイロ大学声明は、小池氏と樋口高顕現千代田区長が主導して発出工作をしたものだという。
しかし小池氏は、例によって自身の関与について「あまり憶えていない」としらを切っている。
もしカイロ大学声明が真正なものでなければ、小池氏らには私文書偽造の疑いがかかる。逆に真正なものであった場合は、民主主義の根幹である選挙に外国政府の介入を招いたことになる。外国の政治家なら即刻辞任ものだ。2016年の米大統領選挙に対するロシア政府の介入疑惑の場合は、トランプ陣営のロシアとの共謀や連携の証拠は見つからずに終わったが、小池氏らの場合は、文案まで作成したのであるから、主犯と言ってもよいくらいの関与である。