カイロ大学声明文は明らかな“脅迫”

 カイロ大学声明は「遺憾なことに、日本のジャーナリストが幾度もカイロ大学の証書の信頼性に疑義を呈している。これはカイロ大学及びカイロ大学卒業生への名誉毀損であり、看過することができない。本声明は、一連の言動に対する警告であり、我々はかかる言動を精査し、エジプトの法令に則り、適切な対応策を講じることを検討している」と述べている。

 これは威嚇ないしは脅迫であり、小池氏らはこれによって、疑惑からの逃げ切りを図ったと考えられる。一国の首都の都知事が、こういうことをやるのは果たしてまともだろうか?

 小池氏の学歴詐称疑惑の解明には、現地での調査がきわめて重要で、筆者は、2016年10月、2018年9月、同12月、2019年4月、2019年7月の5回にわたってカイロで取材を行った。しかし、カイロ大学声明によって身の危険を覚え、家内からも「危ないからエジプトに行かないでほしい」と強く言われ、今日に至るまで現地に行けていない。

 小池氏らが文案を作成したカイロ大学声明は、「生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害した」強要罪(刑法第223条第1項)に該当する可能性がある。