利益供与というもうひとつの問題
小池氏の学歴詐称問題には、別の大きな側面がある。それは外国政府からの「利益供与」だ。
学業実態がないのに、カイロ大学のような国家機関である大学から卒業証書をもらったり、卒業生として認められていたりすれば、それは当然、外国政府から利益供与を受けているということになり、他の先進国なら即刻辞任ものだ。
カイロ大学に留学経験があるジャーナリストの浅川芳裕氏(オリエント言語学科ヘブライ語専攻、1995年中退)は、小池氏はエジプト政府のために働く「エージェント」同然で、2016年に日本政府が発表した300数十億円に上る日本からのODA(政府開発援助)による教育支援「エジプト・日本教育パートナーシップ」の端緒を開いた可能性があると指摘している。
また小池氏は、2022年に東京都の予算約1180万円を使って、随行職員9人を引き連れてエジプトに出張し、卒業生であると印象づけようとするかのようにカイロ大学学長に面会したりし、翌年度からは「都立高校生の海外交流事業」として、エジプト・ヨルダンコースに約4500万円を投じ、エジプト・トルココースにも約4000万円の予算を計上しているという。東京都民は、小池氏がエジプト政府の歓心を買うために都民の金を使うことを望んでいるのだろうか?