(舛添 要一:国際政治学者)
今回の都知事選は、56人もの候補者が乱立し、掲示板のポスターも、公序良俗に反するようなものまで含め、見るに堪えない状況になっている。何とかできないか。
私自身の選挙を振り返り、改善すべき点を提案したい。
掲示板を廃止せよ
NHK党が24人を立候補させ、掲示板を自由に使う権利を売ってビジネスにしている。その結果、犬や猫の写真など、およそ候補者とは無関係なポスターが貼りまくられている。日本の劣化を象徴するような醜態である。
ポスター掲示板は廃止すべきである。理由は多々ある。
第一に、誰が立候補しているかは、掲示板がなくても知らせることができる。スマホで見ることができるようにすればよい。今は、ほとんどの有権者がスマホを使っている。電車の中で、多くの乗客が、かつては新聞や雑誌や本を読んでいたが、今はスマホを眺めている。立候補していないのに立候補しているなどと虚偽のデータを流通させるなど不正を行う者は、公選法違反で厳罰に処すればよい。
スマホを使わない高齢者などに対しては、全世帯に配布する紙の選挙公報がある。本来はこの選挙公報も無くしてしまいたいところだが、仕方ない。
第二に、今回の都知事選のように掲示板のスペース以上の候補者が立候補した場合には、その対策が必要となる。今回はクリアファイルを使って、候補者自らが掲示板に付け加えることにしたが、これは公平の観点からも好ましくない。