動いている街宣車は沈黙を義務化せよ

 選挙に金がかかるのは、街宣車を用意しなければならないからである。レンタルなのであるが、自己負担分は安くても20万〜30万円は必要である。

 参議院選挙のときは、全国を巡るので、候補者の私は、たとえば東京から大阪まで新幹線で移動し、街宣車は事前に高速道路を飛ばして大阪で合流する。街宣車の移動が困難なときには、ハンドマイクを秘書が持って、私と移動し、現地でそのマイクを使って演説するという手をとった。

 街頭演説は、不特定多数の有権者に自分の政策を訴える場として必要である。私は、この街頭演説で多くの票を集めることができたと思っている。

 しかし、街宣車が町中を移動しながら、ウグイス嬢が手を振りながら候補者名を連呼するのは禁止すべきである。まずは、うるさくてしようが無い。住宅地などでは、騒音で赤ちゃんの安眠が妨げられるなど、弊害が大きい。それに、ウグイス嬢に支払う手当は高く、ベテランになると一日に何万円も稼ぐ。

選挙カーから沿道の人々に手を振るウグイス嬢(写真:共同通信社)
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 私は、ウグイス嬢など雇わず、自分の声で事前に政策を説明する文章を書いて録音し、それを軽やかなバックグランドミュージックとともに流した。

 実を言えば、私は、街宣車が移動しているときには、音を出すことを禁止してほしいと思う。とにかく、選挙に伴う騒音を減らすためである。街宣車は街頭演説用とすべきで、それは、演台やマイクを備えているからである。