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テッド・ネルソン氏を語る服部桂氏(筆者撮影)

服部桂 元ASAHIパソコン副編集長

 実は、私とテッド・ネルソンさんとの付き合いは、ここにいる皆さんより長いんですよ。

 テッド・ネルソンさんって、かっこいいですよね。

 お父様はラルフ・ネルソンという有名な映画監督で、お母様は女優さんなんです。

 映画スターのような経歴ですが、ご両親は離婚されていて、その後、コンピューターサイエンスや社会学を学んでいるうちに、ハイパーテキストの概念にたどり着きました。

 テッド・ネルソンといえば、ハイパーテキストという概念を最初に提唱した人です。

 私がテッド・ネルソンさんに初めて会ったのは、1980年代に米国のコンピューター会議に行った時になります。

 必ず最初に手を上げて、わけの分からない質問をするヒッピーみたいな人がいて、「誰なんですか?」って聞いたら、「テッド・ネルソンっていう有名な人だよ」と教えられました。

 後で調べてみたら、本当にすごい人だと知って驚いたのです。彼は、自分で書いた本を配っていました。

 彼が提唱したハイパーテキストというのは、テキストがハイパー、つまり文書が相互にリンクされているということです。

 インターネットでいうリンクですね。