報連相を「される側」に必要な心掛け

 本書では「報連相をされる側」に必要な心掛けも紹介している。具体的には9つのポイントを挙げている。ここでは1つだけ紹介しよう。

 それは「偏見(バイアス)」との向き合い方だ。

 人は多かれ少なかれ、自分でも気づかない偏見を必ず持っている。報連相を受ける際も、このバイアスが邪魔をして判断を誤りがちなので注意が必要となる。

 例えば「ハロー効果」と呼ばれるバイアスは、「ハロー(halo:後光)」という言葉が表すように、「1つ飛びぬけて良いところがあると、それに引きずられて全部が良く見える」現象のこと。逆に、1つでも飛びぬけて悪いところがあると、全部が悪く見えてしまうという側面も持っている。

 報連相を受ける際は、相手の属性、経歴や経験、外見などはいったん切り離し、伝えられた内容にだけ目を向けることが大切だという。大きなミスをしてしまった人からの報連相であっても、「どうせまた同じようなミスをしているんだろう」といった捉え方をしないように心掛けたい。

 仕事の基本とも言える「報連相」。本書を通して、その大切さをあらためて実感できる。

シン報連相 一流企業で学んだ、地味だけど世界一簡単な「人を動かす力」』(曽和利光著、クロスメディア・パブリッシング)