部下からみた報連相「3つのメリット」

 そもそも「報連相」をする意味は何なのか? 曽和氏は部下の立場で得られる3つのメリットを挙げている。

 1つ目は、「上司には見えていない部分」をアピールできること。テレワークの機会が増えれば上司の目が行き届かない部分が増え、「目に見える成果しか評価してもらえなくても仕方がない」状況になってしまう。成果が数字では見えにくい仕事であればなおのこと、正当な評価を得るためにも報連相が必須となってくる。

 2つ目に、「仕事の自由度が上がる」ことだという。これはいったいどういうことなのか。

報連相が必要と言うと、「会社や上司に縛られている」と感じる人もいますが、決してそんなことはなく、逆に仕事の自由度は上がります。なぜなら、効果的に報連相を行えば、むしろ余計な干渉をされにくくなるからです。

 3つ目は、「上司からのフォローやサポートが受けられること」。自分が業務の経緯や結果を上司に報連相することで、その振り返りをサポートしてもらえる。自分だけだと、気がつかなかった視点から指摘を受けたり、新しい学びを指摘してくれたりすることを曽和氏は指摘する。

 煩わしいイメージのある「報連相」だが、うまく活用して自分の成長につなげられるのであれば、積極的に採り入れてみたい。

効果的な報連相「4つのポイント」

 では具体的にどのようなやり方で「報連相」を行うのが効果的なのか。曽和氏は4つのポイントを挙げている。

 まず、報連相する内容のバランスが重要となる。

内容面におけるポイントは、「具体と抽象のバランス」を取ることです。
報告する相手の今の仕事に関する知識量や、報連相する事柄の重要度や緊急性によって、具体的に細かく話したほうがいいのか、それとも抽象的にざっくりと話すべきなのかを使い分けることが大切です。

 2つ目は、報連相を行う「タイミング」。

 どんな仕事にも「息継ぎ」のタイミングがある。そのタイミングで報連相を行えるようになると、上司と部下、お互いの仕事の手を止めずに生産性の高い状態で業務が進められる。

 3つ目は、「結論ファースト」を心がけること。必要に応じて、質問に対して細かく答えていくように「階層的に話す」ことを意識すると、忙しい上司が相手でも的確かつ最小限の時間で伝えられるようになるという。

 最後は、伝える内容によって「ツールを使い分ける」こと。口頭で行うべきなのか、それともチャットやメールを使うべきなのか、など、それぞれの注意点を解説している。

 ちょっとした心掛け一つで報連相の効果はガラリと変わる。コツを掴めば、コミュニケーションの無用な行き違いを減らすこともつながる。