スウェーデンは嗅ぎタバコ「スヌース」で「禁煙」?

 英BBC放送によると、ビクトリア・アトキンス保健大臣は法案の採決に際し、「依存症に自由はない。ニコチンは人々の自由を奪うものだ。喫煙者の大半は若い時にタバコを吸い始め、そして後悔している。彼らの4分の3は、もし可能ならタバコのない人生をやり直したいと考えている」と語りました。

 また、政府の医務官は若い臨床医時代の経験を披露。「喫煙によって動脈を損傷し、脚の切断を迫られた患者が、病院の外でタバコを吸いながら泣いているのを見たことがある。それはタバコ中毒の悲劇だ。選択の問題ではない」とコメントしています。

 喫煙率が5%台になったスウェーデンは、欧州で初めての「禁煙国」(WHO基準で喫煙率が5%未満)になるのではないか、と言われています。それに大きく寄与しているのが、嗅ぎタバコの「スヌース(Suns)」。火を使わないため、煙も出ず、受動喫煙のリスクはゼロに近いとされています。

 麦茶パックに似た形状の袋を上唇と前歯の間に挟んで、ニコチンを摂取するもので、匂いも出ないことから紙巻きタバコの代用として多くの国民が使用しています。

 ただ、スヌースに含まれるニコチンなどには紙巻きタバコと同様、発がん物質が含まれ、依存症を引き起こすリスクもあります。「禁煙国」に近づいたとしても、健康被害のリスクが減らないのであれば、本質的な意味はないのかもしれません。

フロントラインプレス
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