英陸軍参謀総長「3年以内に12万人規模の陸軍を持つべきだ」
英陸軍の規模は1950年の70万人から激減、今後2年以内に7万人を下回る恐れがある。このためサンダース陸軍参謀総長は「3年以内に正規軍、予備役、有事の際に呼び戻す元軍人の戦略的予備役を含む12万人規模の陸軍を持つべきだ」と力説した。
「ウクライナは正規軍が戦争を起こし、市民軍がそれに勝つという事実を突きつけている」(サンダース陸軍大将)。ジェームズ・ヒーピー英軍担当閣外相は軍隊と市民を合わせた50万人という数字を挙げる。しかし英軍が徴兵制に頼ったのは300年以上の歴史のうち25年ほどだ。
英国は帝国を維持するために大規模な軍隊を必要とする大国ではなくなった。大量破壊兵器である核兵器に陸軍で対抗することはできない。相互確証破壊という「恐怖の均衡」が主要国間の戦争をなくし、英国のナショナルサービスはその役目を終えたはずだった。
しかしウクライナ戦争でパラダイムはシフトした。トランプ氏が11月の米大統領選に勝利すれば、欧州は国防・安全保障で米国をあてにできなくなる。そうした背景があるとは言え、スナク首相はどうして選挙にマイナスとしか思えないナショナルサービスを持ち出してきたのか。