意外にも少ない自己資金でマイホームを購入している「DINKS」
特に注意が必要なのが、共働きで子どものいない「DINKS(ディンクス)」ではないだろうか。
現在、マンションや戸建て住宅の価格高騰により、専業主婦(主夫)の片働き世帯では簡単にマイホームを購入できず、共働きで購入するケースが増えている。
リクルートSUUMOリサーチセンターの調査によると、2023年に首都圏で新築マンションを購入した世帯のうち、58.6%が共働き世帯だったが、夫婦のみの世帯では共働きが89.8%とほぼ9割に達している。10年前の2013年には78.2%だったから、10年間で11.6ポイントも高まっている(【グラフ2】参照)。
SUUMOの調査では頭金比率(自己資金比率)も調査しているが、首都圏で新築マンションを買った人の頭金比率の平均は21.7%だった。しかし、ライフステージ別にみると大きな差がある。
【グラフ3】でも分かるように、ほとんどが共働きの「夫婦のみの世帯」では、自己資金比率が9.5%と1割を切る水準になっている。先の三菱UFJ信託銀行の調査にもあったように、「ゼロ(頭金なし)」で買っている世帯がかなりの割合でいるのだ。
自己資金が少ないのに、実は借入額はどのライフステージよりも多くなっている。シングルやシニアカップルは4000万円台の借入額だが、子どもありのファミリー世帯は借入額が5509万円に増え、夫婦のみ世帯はそれを上回る5624万円となっている。
取得したマンションの専有面積はファミリー世帯が70.8m2で、夫婦のみ世帯は66.7m2と、やや狭くなっているものの、借入額は多く、かなり無理をして買っているのではないかと推察される。