変動金利型ローンは返済額が増えるリスク大

 頭金ゼロでもマイホームが買えた背景には、超低金利時代が長く続き、住宅価格が上がり続けてきたという事情がある。

 変動金利型の住宅ローンだと多くの銀行で0.3%台、0.4%台の超低金利で利用でき、返済負担が少なくて済む。しかも、価格が上がり続けているので頭金ゼロで買っても、担保割れになるリスクは小さく、銀行としても安心して貸せたわけだ。

 ところが、その超低金利と価格高騰という2つの前提条件がターニングポイントに差し掛かっている。

 2024年3月には日本銀行がマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに金利の引き上げを行った。2024年5月段階では、住宅ローン金利はさほど上がってはいないが、夏から秋にかけて、本格的な上昇が始まるのではないかとみられている。基準金利の引き上げだけではなく、優遇金利幅の縮小による、実質的な引き上げも想定される。

 そうなると、これからマイホームの購入を考えている人のローン借り入れ後の返済負担が重くなるだけではなく、すでに住宅を取得している人で、変動金利型住宅ローンを利用している人は、今後金利の上昇で毎月の返済額が増額されるリスクが高まる。