「LIFE」は紙とデジタルで復刊

 さて、ここまで当時の週刊誌のことなどを思い返してみたが、先日、アメリカの「LIFE」誌がデジタル版とともに紙版でも復刊されるというニュースが飛び込んできた。驚いたがとても嬉しい。

 かつて「LIFE」はフオトジャーナリストの聖地だった。1936年創刊の写真を中心にしたニュース週刊誌で、最盛期にはアメリカのどの家庭にも1冊はあるとまで言われたほどの人気雑誌だ。創刊時のモットーはTo see life; to see the world.(人生を見よう、世界を見よう)だというが、まさにその通りの雑誌だった。

「LIFE」誌の昭和天皇訪米の特集記事。ミッキーと天皇のコントラストが面白い

 しかし時代の流れの中で赤字が膨らみ、2000年から休刊と復刊を繰り返していたが、2007年にはついに廃刊となった。私は、かつてのアメリカの家庭で家族が一緒に「LIFE」をめくる情景を想像する。会話もあるだろう。そしてそこに人の温もりを感じる。

アメリカの週刊誌「People」誌。有名人に焦点をあてた人気雑誌で現在も健在。発行部数は約300万部

 今回「LIFE」誌が敢えて紙版でも復刊すると踏み切ったのも、もしかしたら理由は人の温もりへの希求なのかもしれない。復刊にあたってのコメントに「人間性の普遍的な物語で読者をつなぐ」という言葉があったが、人の温もりを感じることもまた普遍的に続いていく人間性の物語のひとつなのだから。