「紅麹」成分を含んだ小林製薬のサプリメントを摂取した人が、腎臓の病気などを相次いで発症し、大きな社会問題となっています。厚生労働省によると、5月1日までに5人が死亡。延べ1541人が医療機関を受診し、入院患者は延べ270人に達しました。問題のサプリメントは「機能性表示食品」というカテゴリーに含まれる商品です。健康志向が年々強まるなか、機能性表示食品は市場を大きく拡大させていますが、似たような名称を持つ「特定健康用食品(トクホ)」「栄養機能食品」とは、どのような違いがあるのでしょうか。やさしく解説します。
「紅麹」で問題になった小林製薬の3製品
問題となった小林製薬(大阪市)の機能性表示食品は、「紅麹コレステヘルプ」「ナットウキナーゼ さらさら粒GOLD」「ナイシヘルプ+コレステロール」の3製品です。健康被害が初めて報告されたのは今年1月でしたが、その後、相次いで死亡例が発覚。3月下旬には厚生労働省の通知を受けて大阪市が回収命令を出していました。
3製品のうち、「紅麹コレステゲルプ」は同社HPに「機能性表示食品」「悪玉コレステロールを下げる」と表示され、次のようなセールス文の下で販売されていました。
「体内のコレステロール合成を抑制して、悪玉コレステロールとL/H比を下げる米紅麹ポリケチド含有のサプリメント(機能性表示食品)です。悪玉コレステロールが気になる方、悪玉コレステロール値が高めの方におすすめです。健康な毎日にぜひ『紅麹コレステヘルプ』をお役立てください」
こうした機能性表示食品は、いわゆる「健康食品」「サプリメント」として扱われており、ネット通販やドラッグストアなどで容易に入手できます。そして、それぞれの商品はいずれも「健康の維持・増進に役立つ」ことを強調し、その効能(機能)をパッケージなどに表示しています。
では、機能性表示食品の制度とは、どのようなものでしょうか。