(写真:CFoto/時事通信フォト)

 小林製薬問題に、日本が揺れている。大阪市と厚生労働省は3月30日午前、小林製薬が製造した紅麹(べにこうじ)原料を含む機能性表示食品による健康被害が全国的に広がったことを受けて、原料を製造していた大阪市淀川区の工場に、食品衛生法に基づく立ち入り検査に入った。

 朝から気難しい表情をした計16人の係員が工場に乗り込んでいく映像は、異様だ。

立ち入り検査のため小林製薬の大阪工場に向かう厚労省の担当者ら=3月30日午前、大阪市(写真:共同通信社)

あの有名企業に何が…

 すでに同社の紅麹原料が原因と疑われる病気で、5人が死亡、114人が入院している(3月28日現在)。29日には、小林製薬が2度目の記者会見を行い、小林家6代目の小林章浩社長(52歳)ら幹部が、4時間半にわたって釈明に追われた。

 この記者会見の最中、厚生労働省は、問題の機能性表示食品から青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」が、同社の検査で検出されたと明らかにした。会見では「プベルル酸」を公表していなかったため、騒然となった。31日には、和歌山県と厚労省が、同県紀の川市にある工場を立ち入り検査したが、まだまだ被害者が広がりそうな気配だ。

 そんな中、小林製薬問題が、アジアにも広がりつつある。私が普段、ウォッチしている東アジア各地でも、大きなニュースになってきているのだ。以下、台湾と韓国の状況をお伝えしよう。