参入1600社超のうち13社が倒産、9社が廃業・解散

 機能性表示食品の制度が始まった2015年、市場は500億円にも満たない規模しかありませんでした。ところが、年々高まる人々の健康志向を追い風として、市場は急拡大。民間調査会社の富士経済によると、2023年の市場規模は前年比19.3%増の6865億円に達したもようです。制度開始から10年間で10倍以上に膨らんだことになります。

 機能性表示食品の届け出件数も急増しています。消費者庁の資料によると、初年度の2015年度に272件だった件数は3年後の2017年に1000件を突破。2022年には約6000件に達しました。事業者の数も1600社を超えています。

紅麹問題で謝罪する小林製薬の小林章浩社長(左から2人目)ら(写真:新華社/アフロ)

 国の個別審査が必要な特定保健用食品はこの間、毎年1000〜1100件で推移しており、ほとんど増加はありません。規制緩和による機能性表示食品の急増ぶりははっきりと数字に表れているのです。

 では、どんな事業者が機能性表示食品の製造・販売を手掛けているのでしょうか。

 東京商工リサーチが消費者庁のデータベースをもとに調査したところによると、今年3月27日時点での食品総数は6770製品を数え、企業数は1671社でした。このうち資本金1億円未満は7割強。しかも13社の倒産、9社の廃業・解散も明らかになりました。

 また届け出された食品のうち15%は届け出内容の更新もされないままになっていたほか、法人番号の登録がない事業者も21社に上ったそうです。

 機能性表示食品の分野には、成約メーカーや大手飲料メーカーなども積極的に進出する一方、資本力に乏しく、事業規模が大きくない企業も多数参画しているのです。