DXの推進には、最先端のデジタル技術を駆使してプロジェクトを進められるデジタル人材が不可欠だ。一方で、デジタル人材の育成や確保の難易度は高く、苦戦している企業も少なくない。日本のデジタル人材育成における課題やその対策について、デジタル人材育成学会会長の角田仁氏が語った講演の骨子をお届けする。

※本稿は、Japan Innovation Review主催の「第8回 DX人材フォーラム」における「基調講演:デジタル人材の効果的な発掘・育成の秘訣~「8つの改革」と「真のリスキリング」のススメ~/角田仁氏」(2024年11月に配信)をもとに制作しています。

日本のデジタル人材、人数では世界4位

 デジタル人材の現状を見ると、全世界のITエンジニアが約2700万人いるといわれる中、日本は約144万人で世界4位です(下図)。

 しかし、上位の米国、インド、中国と比べると、数は3分の1から4分の1で、近々ヨーロッパの国々に抜かれる懸念もあります。

 ただ、ポイントは、人材が足りていないのは日本だけではない、という点です。全世界でデジタル人材は不足しており、米国、インド、中国は数百万人、日本では数十万人足りないといわれています。

 現在、デジタル人材を育成すること自体が、世界的な競争領域になっているわけです。そうした中で、一体どうやってデジタル人材を増やしていくのかは大きな問題です。