3つのユニットで構成し容易に移動可能

 アイアン・ドームの開発は2007年から本格的に始まり、2010年1月に迎撃実験に成功しました。実戦配備が始まったのは2011年からです。アイアン・ドームを直訳すれば、「鉄の丸天井」。上空に半円球の鉄の天井を設けるかのようなイメージで地上の人々や建造物を防衛するため、この名称が付けられました。

出所:ラファエル社、イスラエル国防軍の公表資料からフロントラインプレス作成
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 ラファエル社などの資料によると、アイアン・ドームは、指揮管制ユニットと探知・追尾を行うレーダー、対空ミサイル「タミル」を装填したミサイル発射装置という3つのユニットで構成されています。各ユニットは大型トラックや牽引で簡単に移動することが可能。3〜4基のミサイル発射装置が1編成として運用されています。

 この防空システムはガザやレバノンなど近隣エリアからの攻撃に対処するために開発されており、対応する相手も射程70キロまでのロケット弾や迫撃砲弾を想定しています。発射を感知すると、レーダーで追尾して軌道を瞬時に計算し、人口密集地などに着弾すると予測された場合にのみ、「タミル」を発射して空中で迎撃します。