(国際ジャーナリスト・木村正人)
米下院議長、トランプに歩み寄る
[ロンドン発]ドナルド・トランプ前大統領に近いマイク・ジョンソン米下院議長は、ウクライナ・イスラエル・台湾追加支援について20日夕に下院で採決。
上院が2カ月前に可決した950億ドルの追加支援案とほぼ同じ内容だが、4つに分割し、個別に採決した結果、超党派の圧倒的な支持を集めて承認された。23日再び上院に戻され、成立する見通しだ。
議長案はウクライナへの610億ドル(3分の1超は米軍向け武器弾薬の補充)、イスラエルとガザへの260億ドル、台湾を含むインド太平洋地域への80億ドルからなる。ジョンソン議長は17日、米Foxニュースに「われわれは世界の警察官ではないが、正しいことをするつもりだ」と述べていた。
ウクライナへの資金援助を批判する強硬な共和党右派や、イスラエル支援を支持しない民主党左派の反対を押し切るため、4つの法案に分割して下院で採決。最大の懸案だったウクライナ追加支援も311票対112票で承認された。1つの法案にまとめられて上院に戻される。
ウクライナへの95億ドルの経済支援について、議長案は返済の必要が全くなかった上院案と異なり、一定の条件が満たされれば返済しなくていい融資に変更した。共和党大統領候補ドナルド・トランプ前大統領に歩み寄った形で、多くの共和党議員が支持に回った。