米大学キャンパスで燃え上がる「ガザ無差別虐殺」糾弾のインパクト
大統領選に影響なしと両候補は言うが、動き始めた国際社会
2024.5.1(水)
高濱 賛
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「学生の抗議権利は尊重」という建前
今回の大学キャンパスでのパレスチナ支持運動に対して、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)スポークスマン、ジョン・カービー氏はこう言い切っている。
「米国政府は、抗議する学生の権利を尊重している。その一方で反ユダヤ的言動、ヘイト・クライム、暴力を伴う脅迫を断固糾弾する」
イスラエルは、米国にとっては大西洋条約機構(NATO)メンバーに準ずる同盟国であり、米国の中東政策にとってのリンチピン(物事の要)だ。
だからこそ、イスラエル建国以降これまでに米国はイスラエルに対し、3179億ドルの経済軍事援助(うち軍事支援は1580億ドル)を行ってきた。
(usafacts.org/how-much-military-aid-does-the-us-give-to-israel/)
(cfr.org/us-aid-israel-four-charts)
両国間の貿易額は506億ドル。イスラエルから輸入するパール、ストーンメタル、オプティカル器具、医療器具、原子炉などは米ハイテク産業にとっては必要不可欠であり、両国の軍事産業は新兵器開発で切っても切れない関係にある。
特に、シスコシステムズ、インテル、モトローラなどはイスラエル製の部品で世界市場での競争力をつけているとされる。
そのイスラエルと、外交関係のないパレスチナと天秤にかけて「どちらをとるのか?」といったような論議などあるわけがない。
キャンパスにパレスチナの旗がなびいているからといって、いかにも学生たちがパレスチナを選んでいるというような錯覚を起こしてはならない。