米大学キャンパスで燃え上がる「ガザ無差別虐殺」糾弾のインパクト
大統領選に影響なしと両候補は言うが、動き始めた国際社会
2024.5.1(水)
高濱 賛
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喉から手が出るほど欲しいユダヤ系寄付金
今回の反イスラエル運動は、果たして11月の大統領選で再選を目指すジョー・バイデン大統領にとってダメージになるかどうか。
複雑な要因が絡み合っており、現時点ではまだ分からない。なぜか。
それは学生たちのパレスチナ支持は、ガザでの「ジェノサイド」即時停止を要求しているのであって、米・イスラエルの準NATO(北大西洋条約機構)同盟関係破棄を要求しているわけではないからだ。
(学生たちは、イスラエルと商業取引をしているユダヤ系企業・個人からの研究費寄付を拒否することも要求している。UCLAなどはこれを即、拒否している)
ユダヤ系企業や個人から米大学に出される研究費、運用資金は計り知れない。
例えば、ハーバード大学ケネディ行政大学院には女性向けアパレル大手「ビクトリアズ・シークレット」創業者、レスリー・ウェクスナー氏が過去30年間に5600万ドルを寄付した。
イスラエルの攻撃に抗議する同大学の学生グループ声明文を学長が批判しなかったとして寄付を中止すると言い出している。
USCにはハリウッド界の重鎮、スティーブン・スピルバーグ氏が1000万ドル、億万長者のリー・リーバーマン氏が500万ドルと巨額の寄付金を出している。
UCLAにはローウエル・ミルケン氏がユダヤ音楽促進を目的に150万ドルをポンと出している。
(jpost.com/opinion/article-769817)
ユダヤ系億万長者からの寄付金なしに米大学はやっていけないのである。
パレスチナ支持の学生たちが、イスラエルの「ジェノサイド」を糾弾してユダヤ系億万長者からの寄付を受け取るなと言っても、大学経営上、おいそれとはいかないのである。
それに何よりも米アカデミア界を牛耳る「ユダヤ・ブレーン」は、原子爆弾開発から現在に至る物理、化学、先端技術に至るまで米国を超大国にしている核だ。